タイトルのインパクトがすごくて、びっくりして思わず読んだ本です。
馬鹿ブス貧乏で生きるしかないあなたに愛をこめて書いたので読んでください 藤森かよこ:著 ベストセラーズ
えらい言われようです。 馬鹿でブスで貧乏で生きてるアンタが読みなよ、って。
さてはて、どんな内容かと言いますと、、
至極真っ当
著者の 藤森かよこさん は非常に広範囲の本を読む読書家です。
名もなき古本屋で100円コーナーに並ぶ物から、アメリカのリバタリアニズムの政治思想を代表する哲学者アイン・ランドまで。
そして元大学の英文学教授です。
でも、本人からすると、自分自身が「馬鹿ブス貧乏で生きるしかない」人なのだそうです。
そんな著者がこれまで蓄積してきた知識や、生きるためのハックをこちらでは紹介してます。
一般的な自己啓発本とは逆ベクトル、
「あなたは唯一無二の存在、自分を認めてあげて」的な内容ではありません。
むしろ教養が高い?!
運営者きょまタロー自身は”馬鹿ブス貧乏で生きるしかない”タイプなのかどうか考えてみましたが
正直それはあまり関係ないかもしれません。
そういう見方をすればまさしく ”馬鹿ブス貧乏で生きるしかない” タイプだと言えるし
別の視点から見れば ”馬鹿ブス貧乏で生きるしかない” タイプではないかもしれません。
ただ、おそらくこの本を手に取り更に全部読んだ人というのは
むしろ”教養が高い”傾向があるんじゃないかと思います。
本の真意を読み取れなければ
「人のことを馬鹿だのぶすだのとひどいことを書く人だ」
「著者自身が高学歴なのは、本の内容と違う!」
と憤ったり、途中で読むのをやめてしまうでしょうから。
例えばこんなふうに読んでみる
「馬鹿ブス貧乏で生きるしかないあなた」の部分を自分の特性である
「発達障害グレーゾーン ASD(自閉症スペクトラム/旧アスペルガー) ≥ ADHD(注意欠如・多動症) で生きるしかないあなた」
に置き換えて読んでみると
驚くほどに自分の身になって内容がスルスルと入ってきます。
著者の 藤森かよこ さんが言いたいのは
誰にでもあるコンプレックスを踏み台にして
共存しながら生きるには、こんな手もあるし、あんな逃げ道もあるよ
ってことなんんじゃないでしょうか。
実際内容は非常に役立つ、 至極真っ当なハックが沢山載っています。
これからの女の道を
20代女性には20代ならではの、自分本意で視野狭窄な悩み(非常に可愛らしいとも言えます)
30代は若さの衰えを感じながらも体力はまだあるので、ずる賢こい悩み(楽して儲けたいとか)
40代はパートナーや親族や子供や、お金や体力 自分一人だけではない悩みが
50代は閉経に伴う更年期や子離れ、孤独感などの悩み
60代は病気や体の不調、お金
70代は、、
といった具合に女が生きていく上では、なんと問題が多いことでしょうか。
年代や環境、背景文化でそれらは変動するし、個々の性格によっても違うとはいえ
人生100年を生きていくのはとにかく大変です。
発達障害者として役立つ
発達障害《ASD(自閉スペクトラム症/旧アスペルガー) ADHD(注意欠如・多動症)》及びグレーゾーンの人は
先を見据えるのが苦手で、現実世界から逃避しがち。
また、自分の痛みに鈍感で敏感の両極端です。
歳をとる上での事前準備は超下手くそなはずです。
きょまタローは、用意をしなかったことや無知のせいでこれまでも何年かに一度、大打撃を受けてきました。
打撃を受けるとその余波が歳をとるほど酷くなり、ダメージ回復に時間がかかります。
もう流石にそういうのはいやです。
この本は、年齢と共にこれから訪れる問題を一切濁さずはっきりと書いてあるので、非常に勉強になりました。
人生の予習本としておすすめです。
心に響いた点の抜粋です
世の中には、高学歴でもないし、知識産業の専門職でもないけれども、「地頭」のいい人というのは存在する。
物事の本質をサッと把握できて、適切なときに適切なことを言えるし、適切なことを実践できる人は存在する。そういう人は地頭がいい人だ。
あなたは、馬鹿だから、地頭のいい人は、そういう従来の才能があるのだと思う。しかし、そうではない。
ただただ勘で判断して動いているように見える地頭がいい人は、やはり、人の見えないところで勉強している。情報を収集している。それを習慣的にできているから、地頭のいいひとでいることができる。引用:馬鹿ブス貧乏で生きるしかないあなたに愛をこめて書いたので読んでくださいP248
ほんとうの意味での教養とは、多くの人々の努力で支えられ維持されている世界に対する愛と責任を感じることだ。教養とは、他者の生に対する想像力を持つことだ。他者に対して自分ができることは惜しまず実行し、自分にできないことや、してはいけないことは抑制することだ。
今と未来の社会が豊かなものでなければ、社会の一員である自分の人生も豊かなものではありえない。と思えない想像力のなさの結果である「高齢者の次世代への冷酷な無責任さ」というものは、社会的地位の高い人々にも多く見受けられる。
ほんとうの教養というものは、学歴や社会的地位とは関係のないものらしいということは、すでに、あなたもよく知っているし経験したことだと思う。引用:馬鹿ブス貧乏で生きるしかないあなたに愛をこめて書いたので読んでくださいP324