
発達障害 DD とは、先天的に脳機能の発達がアンバランスで、得意なこと、不得意なことにばらつきをもつ症状です。
文部科学省の定義では、 発達障害は大きく3つに分類されています。
1.ASD(自閉症スペクトラム障害)/ 旧、アスペルガー症候群
・他人とのコミュニケーションが不得手である
・何かに集中しすぎ、過集中傾向がある
・興味や関心が狭く、特定のものに強いこだわりを持つ
・マルチタスクが苦手
2.ADHD(注意欠陥・多動性障害)
・注意力が欠如している、ケアレスミスや忘れ物が多い
・落ち着きがなく、多動性や衝動性を特徴とする
・人の話に集中できずによそ見や聞き逃しをする
・時間の管理が苦手
・長期的な計画が立てられない
3.LD(学習障害)
知的発達に遅れはないが、聞く・話す・読む・書く・計算・推論する能力のうち特定のものの習得が難しい
いずれの症状も、中枢神経系に何らかの機能不全があるとされています。
大人の発達障害
統合失調症やうつ病などに比べ研究がこれからということもあり、発達障害が先天性であると分かってきたのは、最近のことです。
本人も親や周囲もわからないまま、大人になることも少なくなくありません。
平均よりもIQが高く、学業優秀な例も珍しくないため、学生時代においては、目立つほどの支障を感じず大人になるケースです(LDは、周囲からは「勉強が苦手な生徒」と判断されてしまいがちです)。
社会に出て初めて「マルチタスクが極端に苦手」「会社や社会ルールに馴染めない」といった現実的な問題が押し寄せます。
会社や人間関係で悩み、鬱・引きこもりなどの2次的な症状が出てから、発達障害であることを指摘されて認識することも。
職場における大人の発達障害
発達障害であるという自覚のないまま社会へ出ると、どういうことが起こりやすいか。
子どもの頃に見逃されていた特性が、社会人として厳しいルールに直面すると
- ・就活で内定が出ない
- ・電話対応や敬語、事務処理が遅い
- ・高学歴、高スキルにも関わらず、場面に即した対処ができない
- ・怒られると極端に萎縮してしまう
などの形で現れてきます。
周りの共感が得やすい悩みではない為、独りでかかえこみがちです。また、発達障害者は客観的に自分を把握するのが苦手な為、発達障害であることに気がつきにくいのです。
発達障害グレーゾーンとは
発達障害は重度から軽度まで段階が色々です。人によって症状の出方が違い、ASD・ADHD・LD は併発しているケースがほとんどで、そのブレンド具合も様々です。
また、軽度だと医者でもはっきり診断できません。「隠れ発達障害」「グレーゾーン」と呼ばれる層が存在します。
グレーゾーンの人は、ある程度社会と迎合するよう自分内でセオリーを作り、グレーであることを隠し、ストレスを大きく抱えながら日常生活を過ごします。発達障害としての援助や保障も受けられません。
協調性がある演技をしながら社会生活を送ることの困難さ、ストレスを溜めやすい特性から、会社員からフリーランスになる人も多いと言えます。定型発達の人から見ると「個性的だけど能力は高い人」の類かもしれません。