過集中とは言葉の通り、過剰に集中してしまう状態です。使用している五感以外は働かず、何も聞こえず視野も狭くなります。
発達障害《ASD(自閉スペクトラム症/旧アスペルガー) ADHD(注意欠如・多動症)》の症状の1つです。
子供時代の過集中
小さな頃から自分にとって過集中は当たり前の状態で、周りも同じだろうと思っていました。
それが小学校高学年あたりから、周りが全く見えなくなる状態は、少数派なのだとわかってきます。
どうやら世の中では、だいたいの出来で良しとし(私の思う60点くらい)、満足しているらしいと気がつきます。
同級生が「私、完璧主義なんだよね〜」と言ってるのを 「???」という思いで聞いていました。
これもいわゆるASDの、世間とのズレ だと思います。
ASD(自閉スペクトラム症/旧アスペルガー)の持つこだわりや集中力からすると、世の中のラインはもっと緩く優しいのでしょう。
中・高は、一生懸命すぎる姿は格好悪いというお年頃。というわけで過集中状態にならないよう、常にだるそうに面倒臭そうに振舞っていたような気がします。
会社員時代の過集中
仕事場での過集中はリスクが伴います。もし上司に呼ばれても、電話がなっても気が付けないからです。
いくら過集中で短時間に人の3,4倍の効率で仕事を仕上げても(それが極めて相手に伝わりにくいのも発達障害です)、会社では気が利かない人としてレッテルを貼られてしまいます。
社員時代の自分の評価は真っ二つでした。
・過集中状態にスムーズに入り、結果を残すのを直に見た人は
「ぼんやりして見えるけど、実はできる子だったんだ(驚)」
・苦手な作業をやらされ、気もそぞろでミスばかり連発するをの目の当たりにした人は
「この子はダメだ、使えない(呆)」
自分自身でも評価がぐらつき、適性をつかむまでに時間を要してしまいました。
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ASDとADHDの過集中の違い
ASDとADHDの過集中には違いがあります(私個人の感覚です)。
ASDはこだわりと結びつき、一度ハマったもの好きなものは少なくとも2、3年は集中が続きます。長期スパンだと10、20年同じ情熱でそれに執着し続けます。
ADHDの場合、早ければ2、3時間でその日のうちに終了し、次に興味が移ります。長くても2、3ヶ月、それを越したとしても長い期間執着することはありません。
どちらも、複数の集中の同時進行はなく、容量は一定なので、興味がなくなると次に移ります。その際、前のことは一切執着が残らず、記憶から抜け落ちる感じです。
過集中を生かすにはどうする
・ASDの過集中:ストイック、研究者的
・ADHDの過集中:流行りに敏感、トレンド好き
ASDは制作や技術、研究、会計などに向いているし、ADHDは接客やデザインなどの移り変わっていくものに向いていそうです。
気をつける点は
- 集中した際、タイマーを使って必ず休憩を入れる
- 電話は留守電を使用する、必ずこちらから連絡を返す
- もし、迷惑をかけてしまった際は、お菓子を配ったり謝りを入れて誠意を示す
過集中は仕事の精度も効率も上げられるわけで、良い方向に持っていき才能として使いこなすことで、武器になるのではないでしょうか。